株式会社アイル
- 利用人数
- 599名
- 利用開始
- 2020年9月導入(全社導入は2021年2月)
- 事業
- SIer
- 特徴
- SIerだがWebベンチャーの気風
- 社風
- 自律と責任を重視
- URL
- https://www.ill.co.jp/
リアルとWebの両面から企業のDXを支援している株式会社アイル。コロナ禍でテレワークを導入した同社は、社員がオフィスに集まれないことで組織文化が維持できなくなるのではないかという懸念を持っていました。そこで同社はテレワークにおける組織文化の醸成を目的としてUniposを導入。その結果、組織文化の醸成はもちろん、メンバーの人となりの深い理解や、お客さまの声の社内周知など、予想外の効果も得られたといいます。
Unipos導入の経緯と効果について、専務取締役 尾崎 様、取締役 岩本 様、吉野 様、三門明 様にお聞きしました。
課題と効果
- 課題
- テレワーク導入により組織文化が維持できなくなることを懸念
- 運用のポイント
- 拍手の多い投稿をもらった社員にインタビューし、社内報に掲載してスポットライトを当てる
- 効果
-
- テレワークで会えない中でも社員同士の絆が深まり組織文化の醸成につながった
- 拠点を越えたコミュニケーションが活性化した
- 「お客さまの声」を会社全体で共有できるようになった
目次
コロナ禍で組織文化の維持を懸念
Uniposを導入する背景となった組織課題について教えてください。
岩本:きっかけの1つはコロナ禍です。弊社では2020年3月からテレワークを導入しており、出社率は現在も3~4割といったところ。SIerでありながらWebベンチャーの気質も持っている会社であり、「自律と責任」を大事にしていることから、テレワークでも十分に業務ができる体制が整っています。
ただ、業務的には問題なくても、やはり組織文化の維持という点では課題を感じていました。弊社はもともと組織文化をとても大切している会社です。それまでは、自部署の中での会話や他部署との連携など、社員の活躍が自然と耳に入ってきていたのに、コロナ禍でまったく聞こえなくなってしまいました。このままでは、企業文化が醸成されづらくなっていくのではないかと懸念したのです。
そんなときに知ったのがUniposでした。Uniposはテレワーク下における組織文化の醸成に役立つのではないかと考え、専務取締役の尾崎と話をして導入を進めていくことにしました。
Uniposに対してどのような印象を持ちましたか。
尾崎:弊社はここ10年ほどで急成長し、社員数も急増しています。それもあって、部署を超えたコミュニケーションが難しくなっているという課題感を持っていました。また、社員の評価については、どうしてもよく見える部分に限定されがちです。しかし、管理職としてはしっかりと“見えない部分の貢献”も評価することが大事です。そうした見えない貢献を可視化するためにも、Uniposは有効だと思いました。
兼用ではなく専用のソリューションを導入すべき
Unipos以外にコミュニケーション活性施策はおこなっていますか。
尾崎:弊社ではもう20年以上前から「ファインプレーカード」という施策をおこなっています。これは、お客さまからいただいたお褒めの言葉や、仲間に助けてもらったことなどを、付箋のような紙に書いて壁に貼り出すという施策です。
Uniposとコンセプトが似ていますね。
尾崎:そうなんです。ですから、Uniposを知ったときはファインプレーカードを“今風にしたものなんだな”と解釈しました。
岩本:ただ、ファインプレーカードを実施していたのは技術系の部署だけです。それ以外にも私の部署では、「褒めチャット」といって、チャット上でグループを作りお互いに褒め合う施策をおこなっていました。
「褒めチャット」を全社に広げるのではなく、あえてUniposを導入されたのはなぜですか?
岩本:全社でチャットのグループを作っても、業務連絡用のツールと一緒にしてしまうと戸惑ってしまい、やりにくいだろうなと思ったのです。それよりも、Uniposのような専用のソリューションを導入した方がいいだろうと思いました。
実際にUniposを使ってみて、どんなところがよいと感じられましたか。
岩本:ITにそれほど詳しくない人間でも、パッと見で使い方を理解できるインターフェースのわかりやすさです。Uniposならレクチャーするまでもなく、誰でも迷うことなく使えると思いました。
最初は心配だった他拠点導入
社員の方から導入に対して反対の声は上がらなかったのでしょうか。
岩本:反対意見もありました。「社員が本当に使うのか?」や「費用をかけてまでやる価値があるのか」といった声が上がっていました。
尾崎:東京拠点のメンバーはわりと新しいものに積極的なので利用するイメージが湧きましたが、関西拠点は、職人気質のメンバーが多いので、使ってくれるか心配な部分はありました。「あえてUniposを使って褒める意味はあるのか?」という意見もありましたので。最初はUniposのコンセプトを理解できなかったのかもしれません。
社内報により、メリットを更に拡散
そういった声に対してどのように対処されたのでしょうか。
岩本:ダメならやめるぐらいの気持ちで、「とりあえずやってみよう!」と半ば強引に押し切った部分はあります。そのため最初は東京拠点のみで始めました。
尾崎:そのうち、Uniposが使われているところや社内報の一つとして始めた『おきもちデリバリー』を見ていた関西のメンバーからも、「導入したい」という声が大きくなってきたので、2月からは全社導入しました。
積極的に投稿するメンバーを中心に、順調に浸透していった
岩本:実際導入すると、関西拠点にもUniposをうまく活用してくれるメンバーがたくさんいました。そうした方が積極的に使ってくれて、波及する形で広がっていきましたね。
「その人の何がすごいのか」を具体的に伝えたい
アイル様のUniposを拝見すると、長文で思いを伝える投稿や、熱のこもった投稿が多いように感じます。
尾崎:もともとの組織文化かもしれませんね。社長の方針で、たとえ新入社員であっても朝礼など人前で話す機会を持つことが多いんです。そして話すときはしっかりと相手に伝えることを意識するため、Uniposでも心に響く投稿が増えるのだと思います。
岩本:その人に感謝を伝えるだけではなく、「その人のすごさを皆に伝えたい!」という気持ちが強いから、「何がすごいのか」を具体的に書く人が多いのでしょう。
吉野:そういった投稿には拍手もたくさん集まりますね。1つの投稿に1,000を超える拍手がつくことも珍しくありません。
拠点を越えたコミュニケーションが活性化
Uniposの効果についてどう感じていますか。
尾崎:コロナ禍でリアルでは会えない状態が続いていますが、Uniposのおかげで社員同士がつながれている実感があります。やってよかったと思っていますし、Uniposに感謝しています。
岩本:コロナ禍以前から、拠点間のコミュニケーションには課題がありました。弊社は東京・大阪・名古屋・松江に拠点があるため、どうしても全社員が集まる機会は少なかったのです。そうした中で、Uniposは拠点を越えたコミュニケーションを活性化してくれました。
吉野:たしかに拠点間の距離が縮まりましたね。コロナ禍で関西のメンバーと会えなくなったのですが、Uniposを通じて関西の様子を知れるようになったときは、「やっと会えた」という感覚があって、思わず涙が出てきました。
また、「いつも多くの感謝を送っていてすごいですね」や、「あの投稿に刺激を受けました」といった投稿もあります。感謝や称賛を可視化してくれるUniposがなければ生まれていなかったコミュニケーションです。
岩本:実際に会ったことはないけれど、Unipos上だけでつながっているという関係性も増えていますね。
称賛だけでなく、相互理解の場としても
マネジメントの視点ではいかがでしょうか。
岩本:Uniposを見ていると意外な発見があります。「この人ってこういう一面もあるんだな」とか「意外と積極的に自分の想いや考えを発言してくれる人なんだな」とか、メンバーのことがよりわかるようになりました。Uniposは単なる称賛のためのツールではなくて、組織やメンバーについて“発見”もできるソリューションなんだなという気づきがありました。
吉野:Uniposの自己紹介ページも面白いですよね。メンバーも肩の力を抜いてカジュアルに面白く書いてくれるので、読んでいて楽しいです。
岩本:たしかに面白いです! 弊社では若手社員が役員と会食をする「役員会食」という施策をおこなっているのですが、その際、若手の人となりを知るのにUniposの自己紹介ページはとても役立っています。
吉野:コロナ禍でテレワークが中心になって入社した人にとっても、Uniposは先輩社員のことを知れる場になっていると思います。
三門明:そう思います。私も入社してすぐテレワークでしたが、Uniposの自己紹介やおくられる投稿は口調や内容がくだけていることが多いので、人物像がよりつかみやすいと感じています。
岩本:Uniposを積極的に使うことで、社内の評価がすごく上がった社員もいるんですよ。
Uniposは組織文化をつくるのに有効
Uniposの費用対効果についてどう感じますか。
岩本:Uniposの効果を短期的な数字で出すことは無理でしょう。ただ、私は組織づくりを促進させるためのツールとして、Uniposの効果を確かに感じています。
コロナ禍を受けて、短期的には大丈夫でも、長期的にはどうなるかわからない会社がたくさんあると思います。そういった会社がやるべきなのは組織文化を守り育てていくことです。なぜなら、長期的に会社を支えるものは「組織文化」だからです。
弊社の代表はよく、「制度ではなく風土をつくれ」と言います。もちろん制度も大事ですが、それだけでは不十分です。目に見えにくい組織の風土こそつくっていかなければならないのです。
現場が自主的に使えるような巻き込みを意識
Uniposを社内に浸透させるための施策について教えてください。
岩本:まず、各部署から影響力のあるメンバーを「現場浸透チーム」として選びました。現場浸透チームのメンバーが、積極的な投稿や拍手をしてくれたり、ミーティングでUniposの話をしてくれたりと、浸透のために骨を折ってくれました。
尾崎:Uniposの内容に制限を設けなかったのもよかったですね。
岩本:そうですね。Uniposを使うことを義務だと思ってほしくなかったので、投稿内容にルールを設けることはしませんでした。また、Uniposを弊社で運用する際の名前や、ハッシュタグに何を入れるのかなどは、現場浸透メンバーからアイデアを募って投票で決めました。とにかく現場を巻き込むことを意識して進めました。
結果的に自然な参加意欲を喚起できたと思います。「あの人のあの投稿よかったよね」とか、「この件、その人にUniposしておいてよ」とか、自然にUniposの話題が出るようになりました。
吉野:何かいいことがあると、「これ“ユニポり案件”やん!」なんて声が現場から聞こえてきたりしますね(笑)。
社員の7割が読む社内報「おきもちデリバリー」でUniposの活用を促進
現場から盛り上げることを徹底されたのですね。
三門明:「おきもちデリバリー」は、拍手人数の多かった投稿をもらった人を月に1回ピックアップし、インタビューする施策です。Uniposの話だけでなく、マネジメントの工夫や、普段の業務内容や仕事で意識していることなど、いろいろな話を聞いて記事にしています。
岩本:三門明は昨年の新入社員なんですが、よくこれだけ書けるなと感心するくらいインタビューがうまいんです。また、吉野もしっかりとカバーしてくれていて、毎回いい記事になっています。私も読んでいて泣きそうになることがあります(笑)。
三門明:今年の1月に「おきもちデリバリー」についてアンケートをとったところ、社員の7割が読んでくれていることがわかりました。「おきもちデリバリー」がきっかけで社員同士のコミュニケーションも生まれているようです。
岩本:「おきもちデリバリー」は、Uniposの利用促進にも効果があったと思います。「おきもちデリバリー」が始まったとき、まだ大阪ではUnipos導入前だったのですが、読んだ大阪メンバーから「早くUniposを使いたい!」って声が上がりましたからね。
お客様から寄せられた嬉しいお言葉をUniposで共有
ハッシュタグはどのように活用されていますか。
岩本:チームハッシュタグには、弊社の大事にしている考え方を表した「アイル語」を設定して、該当する行動を称賛するときにつけることにしています。それ以外にもハッシュタグは自由に設定してよいことにしているので、ハッシュタグで遊ぶ人も多いですね。本文はまじめに書きつつ、ハッシュタグで面白いことを書くなど。
吉野:「#お役立ち情報」も面白いですね。Uniposで感謝を伝えながら、ほかの人にとっても役立つ情報を載せてくれる社員もいます。
「#お客様からの言葉」というハッシュタグがユニークです。
吉野:このハッシュタグは、お客さまからいただいた言葉を周知したいときに活用しています。たとえば、お客さまからの「社員Aさんに対してのお褒めの言葉」を社員Bさんが聞いたとします。すると、社員Bさんが「お客さまがAさんについてこんな風におっしゃっていました」と社員AさんにUniposを送りながら投稿するわけです。もらった社員Aさんも嬉しいですし、それを見ている周りのメンバーも嬉しい気持ちになります。「#お客様からの言葉」というハッシュタグを追いかけると、このような投稿ばかり見られるので、ほっこりしますね。
岩本:お客さまの声をオープンに共有できる場があることで、それをもらった・読んだメンバーも「アイルが世の中にどう貢献できているのか」をより実感できるようになったと思います。
最後にあらためてUniposについて思うところを教えてください。
岩本:仕事というのは夫婦関係と一緒で、メンバー同士がお互い尊重し、感謝し合うことが大事です。ですが、コロナ禍になって、感謝を伝えることが難しくなりました。昔ながらの「言葉にしなくてもわかるはず」という考え方ではなく、これからは形にしてしっかりと言葉で示していかないといけない時代です。そのための手段としてUniposはとてもよいサービスだと思います。
ありがとうございました。
あとがき
コロナ禍でテレワークを導入したところ、社員の連携や活躍が把握しにくくなり、組織文化の醸成に懸念を感じていたというアイル様。
テレワーク下でのコミュニケーションを活性化するため、Uniposの導入を決めましたが、当初は社内から「社員が本当に使うのか?」や「費用をかけてまでやる価値があるのか」という反対意見も上がったといいます。
しかし、実際にUniposを運用した結果、部署や拠点を越えたコミュニケーションが生まれ、結果として組織文化の醸成にも寄与。お客さまの声を社内に広げる手段としても役立つなど、多くのメリットが生まれています。さらに、Uniposの導入プロジェクトに広報メンバーが関わることで、多拠点に対してより効果的な情報発信も行えているそうです。
多拠点かつテレワークという環境では、これまでになかった様々な課題が見えてきます。そうした課題を解決するソリューションとして、アイル様ではUniposを効果的にご活用いただいています。