説明会で企業文化との共通点を強調、前向きな呼びかけで利用率9割を維持

MRT株式会社

利用人数
227名(連結)
利用開始
2019年9月導入
事業
医療人材紹介(オンラインマッチング)、オンライン診療など
特徴
東京、名古屋、大阪、福岡などに多数の拠点とグループ会社
社風
美ten凝視(「美点凝視」の造語。相手の良いところを10個見つけて、お互いに褒め合うことでチーム及び社内を活性化させる)
URL
https://medrt.co.jp/

「医療を想い、社会に貢献する。」をビジョンに掲げ、医師のための転職・アルバイト紹介サービスをはじめオンライン診療サービスなどを提供するMRT。以前から実施していたサンクスカードに替わるコミュニケーション施策としてUinposを導入いただいています。

もともと風通しがよく、コミュニケーションが活発な組織文化を持つMRT様。そんな自社の社風に合わせて考え抜かれた導入施策や運用方法について、代表取締役社長 医師 小川智也 様、HR 広報担当 稲津 李奈 様、コーポレート本部 経営管理グループ 広報チーム シニアリーダー 榎本 佳子 様にお話を伺いました。

課題と効果

社員数や拠点が増えたことでコミュニケーション施策の実施が難しくなった

サンクスカードに感じていた課題

小川:もともと、社内で「サンクスカード」という施策を実施していました。これは、メンバーへの感謝の言葉を紙に書いてもらい、それを集めて社内の壁に貼り出すというものです。弊社には、「美点凝視」を元にした造語「美ten凝視(相手の良いところを10個見つけて、お互いに褒め合うことでチーム及び社内を活性化させる)」という文化があり、この文化をもっと推し進めたくてサンクスカードを取り入れていたことが背景にあります。

小川:サンクスカードはうまく根付いていたのですが、だんだんと社員数や支社が増えてきたことで課題が出てきました。社員が増えると手作業での集計が大変ですし、支社が違うとサンクスカードを送り合うこと自体が難しくなってしまいます。そんなときに出会ったのがUniposでした。

「社員に使ってもらいやすい」Uniposの設計に感心

小川:なんて便利なんだ! と感動しました。Uniposなら紙のサンクスカードと違って全支社で交流できますし、デジタルなので手作業で集計する負担もありません。また、サンクスカードは月に一度、思い出しながら書くものなので、どうしても“後からの感謝”になってしまいます。一方、Uniposならタイムラグなく感謝を送れますし、見ている立場としてもリアルタイムに起きていることを理解できるのが大きな利点です。

榎本:私が入社したときにはすでにUniposは導入済みだったのですが、すばらしい施策だと思いました。というのも、実は私は前職でUniposに似たシステムの運用を担当していたんです。そのシステムは自社でつくったものだったのですが、社員にあまり使ってもらえず、運用にすごく苦戦していました。その経験があったので、Uniposが「1週間でポイントが消えてしまうから、その週のうちにポイントを送りたくなる」など、社員に使ってもらいやすい設計になっていることに感心しました。

「業務のやりとりとライトなコミュニケーションは明確に場を分けるべき

小川:チャットツールで代用できるのではないかと考えたこともありました。しかし、チャットツールは主に業務上のやりとりがなされています。特に弊社は医療人材紹介(オンラインマッチング)やオンライン診療などの事業をおこなっている関係で、医療機関とのつながりもあります。業務では個人情報も扱いますから、チャットでのやりとりには高い緊張感をもって臨まなければなりません。そうした業務上のコミュニケーションと、感謝や称賛などのライトなコミュニケーションは、明確に場を分けた方がいいだろうと思いました。

小川:導入するとなると当然、コストがかかります。担当者はコスト面を気にしてくれたのですが、CFO(最高財務責任者)はむしろノリノリでしたね(笑)。それに、Uniposの導入事例を読んだことでメリットはよくわかっていました。コストをかけるだけの価値はあるだろうと思いましたし、上層部はすぐに「やってみよう!」と言ってくれたので問題はありませんでした。

社員自ら利用したくなるコミュニケーション施策を実施

「自社文化とUniposの世界観の共通点を伝え、納得感を醸成

小川:まず、導入担当者が社内に向けてUniposの説明会を開催しました。その際に意識したのは、弊社の文化とUniposの世界観の共通点です。弊社には立場が違ってもあだ名で呼び合うニックネーム制度のため、フラットな社風です。立場を超えて感謝をおくり合えるUniposとは、そうしたフラットな関係性をベースにしている点が共通している、ということを伝えて納得感を醸成しました。

稲津:社長をあだ名で呼ぶことを意外に思われるかもしれませんが、実際にそうなんです。ちなみに社長の小川は社内で「ダンディ」と呼ばれています(笑)。私は新卒で入社したのですが、そうした社内の雰囲気もあって、最初から経営層とも近い距離感で話せていました。「上司にこれを言ったら怒られるかも」や「社長にこんなこと言ってもいいのかな?」といった感覚は私も含めメンバーは誰も持っていません。

小川:サンクスカードで感謝を伝える文化が根付いていたこともあり、スムーズに受け入れてもらえました。どんな内容をどんなふうに送ればいいのかも、最初からメンバーは理解してくれていたと思います。

"使いたくなる"ような施策や前向きな呼びかけで高い利用率を維持

稲津:Uniposの利用率は開始直後から92.6%と高く、その後も落ちることなく現在に至っています。ただ、100%になることはありませんし、それでいいと思っています。利用を強制することはしたくありません。その代わり、Uniposが使いたくなるような施策をおこなっています。たとえば弊社では月に1回、全体朝礼をおこなっているのですが、そのときUniposをもらった数が一番多い人を選出して、翌月に豪華ランチに行くという施策です。「Uniposを送り合うことで豪華ランチに行けるかも!?」という気軽なノリでUniposを使ってくれる人もいるようです。

稲津:投稿の内容が薄くなったと感じたときは、Uniposの運用担当である私たち人事から声がけをしています。そのときも、「こうしてください」ではなく、「今の内容にこんなことを追加してみてもいいかも!」というふうに前向きなコミュニケーションを心がけています。そうすると、言われたメンバーも「OK! やってみる!」とポジティブに受け止めて改善してくれるんです。

▲Uniposを送り合うことで豪華ランチに行けるかも(現在はコロナ禍で休止)

「送る相手はまんべんなく、投稿内容は具体的に」

稲津:人事という立場もあって、なるべくいろいろな人にまんべんなく送るようにしています。「見てくれているんだ」と思ってもらえることで、モチベーションアップにつながればと考えています。

榎本:私も稲津と同じように、いろいろな人に送るようにしています。また、単なる「ありがとう」ではなく、Uniposをもらった相手が何に感謝されているのかわかるように、具体的な内容を投稿するようにしています。

小川:私を含め、経営陣はあえてUniposを使っていません。メンバーには経営陣に忖度してほしくないので、経営陣は使わない方がいいだろうという判断です。ただ、経営陣もUniposの閲覧はしています。

コミュニケーションが活性化した事により組織全体の解像度が高まり企業文化の醸成にも繋がった

会ったことのない社員の活躍が可視化され、組織全体の解像度が高まった

稲津:とある社員が結婚したのですが、それに対して「結婚おめでとう!」というUniposが送られたことがありました。それを見て、結婚した社員とは会ったことのないグループ会社の社員からも拍手が送られたり、「会ったことはないけどおめでとう! いつか会いましょう!」のような投稿が送られたりしていたんです。グループを越えて盛り上がりを見せていたのがとても印象的でした。

榎本:確かに、会ったことのない人の活躍をUniposを通して知ることは多いですね。たとえば、育休や産休、留学などで休職に入る人に対して、よくUniposが送られているのですが、投稿を見ることで、その人がいかに愛されているのか、どんな活躍をしているのかがわかります。

また、「Uniposを通じて〇〇さんの株が上がりますように!」といった投稿も印象に残っています。社員の皆がUniposを見ていることを理解した上で、自分の“推し”の株を上げようとしているところにすごくほっこりしました(笑)。

▲結婚した社員に対して送られたUnipos
▲休職する社員へのUnipos
▲産休に入る社員に送られたUnipos
▲“推し”の株を上げようとする投稿も

榎本:個人的に面白い体験をしたこともあります。仕事で郵便局へ行ったとき、別の拠点のメンバーと偶然出会ったんです。それまで関わりがなかった人だったのですが、そこで出会ったことをきっかけに後からUniposを送り合って仲良くなりました。Uniposのおかげで素敵なつながりが生まれました。

▲偶然の出会いから生まれたつながりがUniposでさらに強化

稲津:ハッシュタグも使われ方も個性的だなと感じます。SNSみたいに自由にハッシュタグで遊ぶ人が多くて、楽しみながら使ってくれていることが伝わってきて嬉しいですね。

▲SNSのように自由なハッシュタグをつけるなど遊び心たっぷり

リモートで薄れがちなコミュニケーションの場として定着、オンボーディングにも効果を発揮

稲津:サンクスカードの課題だった「拠点が違う人に感謝をおくりにくい」という点については、場所を問わずコミュニケーションできるUniposを導入したことで解決できました。また、コロナ禍になってからはリモートワークを導入し、全員が顔を合わせることはほとんどできなくなっていますが、そんな中でもUniposはコミュニケーションに役立ってくれています。社内でも「コロナ禍の今こそUniposを活用しよう!」という意識が自発的に芽生えており、以前よりも拍手が増えるなど盛り上がっていると感じます。

榎本:Uniposは特にカジュアルなコミュニケーションを活性化してくれると感じています。リモートワークなので、雑談的に話しかけられない、でもSlackでDMを送るほどではないくらいのカジュアルなメッセージを伝えるのに、Uniposはぴったりです。

私自身、転職してきたとき、Uniposを通じて歓迎のメッセージをたくさんもらえました。ウェルカムな雰囲気を作ってもらえたことで、最初からすごく仕事がしやすかったことを覚えています。Uniposをもらえると、送ってくれた相手のことを知りたくなりますし、Uniposを送りたいから良い面を探すようになります。そのことがまたコミュニケーションの距離を縮めてくれるんです。

小川:榎本が申し上げたように、Uniposには「自然と相手の良い面を見るようになる」メリットがあると思います。その視点が習慣化することで、「美ten凝視」の文化がさらに広がっていると感じます。新しく入社した人にも、Uniposを使ってもらうことで「MRTはこういう会社なんだ」ということを自然と理解してもらえるようになりました。

▲新しく入社した社員へのウェルカムUnipos

企業文化の醸成、コミュニケーション活性、組織状況の可視化が促進

小川:経営陣として常日頃から思っているのは、「社員自身が会社の良い文化を広めていってほしい」ということです。Uniposはまさに、その思いを叶えてくれるシステムだと実感しています。

コミュニケーション面では、グループ会社や部署を越えた連携が強化されました。Uniposを通して雑談的なコミュニケーションをとることで、いざ業務で関わることになったとき、心の距離が縮まった状態で臨めるのです。

また、「可視化」という点でもUniposの効果は大きいと感じています。というのも、コンディションが落ちると、Uniposの投稿数が減ったり、特定のメンバーにしか送らなくなったりと、明確な変化が表れるからです。これまでは社員のメンタル不調については産業医の先生に任せきりになっていたのですが、Uniposを導入したことにより不調の予兆が見えた段階で上司が気づけるようになりました。弊社は2021年1月より私自身が責任者となり、「健康経営宣言」を制定しており、健康経営を目指しています。Uniposは健康経営にも役立つと考えています。

▲Uniposを通じてグループ会社や部署を越えた交流が生まれ、連携が強化されています

Uniposは会社の良い面を引き出してくれる

小川:もし、「社内で褒め合って何がいいの?」と聞かれたとしたら、私は「Uniposは会社の良い面を引き出してくれるソリューションですよ」と答えます。褒め合うこと自体が目的ではなく、そこから会社や社員の良い部分が引き出されていくことが重要なのです。人間関係は見えているものだけとは限りません。見えていないもの、気づけない部分を、Uniposは可視化してくれるのです。マネジメント層にとっても、Uniposは非常にありがたいソリューションですね。

あとがき

Unipos導入以前からサンクスカードを実施されるなど、積極的なコミュニケーション活性化に取り組まれていたMRT様。取材時に社員と社長があだ名で呼び合う光景からは、とても風通しのよい社風が感じられました。

Uniposの運用で印象的だったのは、“社員の皆さんが思わず使いたくなる仕掛け”を実施したり、人事の皆さんがまんべんなくUniposを送ったりと細やかな工夫や気配りがなされている一方で、導入時には社風とUniposの共通点を説明してあとは自主的な利用に任せたり、使い方の改善についても「強制」ではなく「呼びかけ」たりするなど、社員への強い信頼感が伺える取材となりました。

“仕組みづくり”と“社員への信頼”の両輪でUnipos導入を成功させたMRT様の取り組みは、多くの企業様にとっても参考になるのではないでしょうか。