理想の利用状態になるまで丁寧にフォロー、ランキングや表彰コンテンツで利用率を向上のアイキャッチ画像

株式会社シノプス

利用人数
82名
利用開始
2019年7月導入
事業
ソフトウェアメーカー
平均年齢
35歳
社風
感謝を伝え合う文化
URL
https://www.sinops.jp/

小売業向けの需要予測型自動発注システムを提供するシノプス。同社は社内の見えにくい貢献の可視化を目的にUniposを導入。完全テレワークでも、拠点や部署を越えたつながりが強化されるなど、大きな効果を上げています。導入時における浸透施策や利用率を維持するための施策など、Unipos活用を盛り上げる工夫について、取締役 管理部 部長・島井幸太郎 様、管理部 経営企画室 広報担当・ライラ 未遊 様に伺いました。

課題と効果

社内の、一見すると目立たない沢山の大きな貢献を可視化したい

話し合っている写真

成果が見えにくい部門に対する評価の精度に課題

島井:弊社は主に食品系の大手小売企業様に、需要を予測して自動発注するシステムを開発・提供しているソフトウェアメーカーです。社内には営業のほかにエンジニアや管理部門があるのですが、特に営業が強い会社のため、エンジニアと管理職の成果評価ができていないのではないかという課題感を持っていました。

様々な施策を試みるも、隠れた貢献の可視化には至らず

島井:エンジニアや管理部門の見えにくい貢献を可視化するため、手書きで感謝のメッセージを書いて送り合う「サンクスカード」を実施した時期もありました。ですが、IT企業ということもあり、手書きのメッセージはあまり浸透しませんでした。感謝を伝える文化はもともとあったのですが、SlackのDM等で送ることが多く、当人同士で閉じてしまっていたのです。

ほかの施策として、「モースト・ワンダフル・パーソン(MWP)」という投票制度を行ったこともありましたが、やはりうまくいきませんでした。ただ投票するだけでは、選ばれた人がどんな成果をあげたのかがほかの人にはわかりませんし、1人1票なので「1人に決めきれない」という声もありました。さらに、社員数が増えるにつれて投票が機械的になり、投票されるのが普段から目立つ人に固定されてしまっていました。そういった事情から、何か別のシステムを導入する必要があると考えていたところ、Uniposと出会ったのです。

制度理解のため徹底した説明会や声がけ、社員が楽しめる施策も

説明会と声がけを丁寧に行い理想の使い方が継続的にされるよう促進

島井幸太郎様写真

島井:Uniposの導入は、各部署から導入推進メンバーを選出してもらってプロジェクトチームを作り、積極的に投稿するなどして導入を進めていきました。ただ、導入当初には苦労もありました。それは、Uniposで送る内容の粒度やレベル感を合わせることです。業務とは関係ないようなちょっとした内容でもいいのか、それともある程度業務での感謝や称賛に限定するのか。私としてはどちらも投稿してほしかったのですが、最初はやはり業務関係で褒め合う内容が多くなりがちでした。

ライラ:その解消方法としては、説明会を何度か開いて、丁寧に解説しました。まず、導入に関する説明会を開き、しばらく使ってもらってからもう一度、詳しい使い方を解説する説明会をおこないました。さらに、導入後の良い投稿をピックアップして「なぜその投稿が良いのか」を解説する説明会も開きました。

また、とにかく使い慣れてもらうことが大事だと考えて、最初は全社員にポイント消化率が100%になるようお願いしました。ただ、それでも使い切れない人がいたので、課長陣にフォローをお願いしたり、「投稿が恥ずかしかったら拍手だけでもお願いします」と呼びかけたりしました。そこから利用率が上がり始めて、現在は80%を維持しています

Uniposの利用率が一時的に落ちたことも

島井:Uniposの利用率について、実は少し落ちた時期がありました。といっても70%くらいは維持していたのですが、利用率が下降傾向に入ってしまったことは問題だと感じました。また、投稿の内容も業務連絡のように淡白なものが多くなっていたように思います。

独自の利用レポート配信で投稿の質と利用率を改善

ライラ:Uniposを活性化させるために「sinoposレポート」という独自のレポートを作成して社員に配信することにしました。sinoposレポートには毎月のUnipos利用データのまとめ、拍手された人数が多い「Bestメッセージ」の発表に加え、
・もっとも多くの投稿をおくったメンバー
・もっとも多くの投稿をもらったメンバー
・もっとも拍手をしたメンバー
・拍手をされたメンバー
をピックアップして表彰するコーナーなどを載せています。

sinoposレポートの画像
▲独自のレポート「sinoposレポート」

社員が楽しめるランキングレポートを作成、さらなる利用浸透の効果も

ライラ:表彰制度を取り入れたのは、Unipos以前に実施していた投票制度「モースト・ワンダフル・パーソン(MWP)」でも、社員はランキング部分を楽しみにしていたので、Uniposでもランキングにすれば盛り上がるのではと考えたからです。結果としてsinoposレポートの効果は大きく、やってよかったと思っています。また、ずっとレポートで表彰され続けている社員がいるのですが、その人が皆に「Uniposやろうよ」と呼びかけてくれていたのもよかったです。

もっとも多くの人から拍手を集めた投稿の画像
▲もっとも多くの人から拍手を集めた投稿
様々な観点から表彰の画像
▲様々な観点から表彰

ハッシュタグの自由な活用で独自文化に合った効果的な利用が定着

ライラ:ハッシュタグの効果も大きかったと思います。最初は弊社独自のハッシュタグを作って、そのハッシュタグに合った文章を書くよう推奨したのですが、結果的に「投稿をハッシュタグで補足する」という文化が根付きました。

限られた文字数の中で効果的に気持ちを伝えるため上手に活用されているの画像その一
限られた文字数の中で効果的に気持ちを伝えるため上手に活用されているの画像その二
▲限られた文字数の中で効果的に気持ちを伝えるため上手に活用されています

導入後の効果

拠点や部署間の情報格差が減り、これまで見えにくかった貢献が可視化

島井:Unipos導入による効果については当初の狙い通り、今まで注目されやすかった人と同じくらい、バックオフィスの社員の名前もUniposで見るようになりました。また、拠点や部署ごとの情報格差もなくなりました。

弊社は東京と大阪に拠点があり、営業部隊はほとんどが東京にいます。つまり、営業情報は東京に集まるわけです。ところが、大阪本社からすると東京の状況はよくわかりません。また、本社フロアも広くなり、管理部門と技術部門が分かれているので、お互いの雰囲気がわからなくなっていました。Uniposを導入したことで、拠点や部署を越えたやりとりが生まれ、さらに全社に見える化されたことで情報格差がなくなったと感じています。

ライラ:私自身は広報という立場ならではの効果を実感しています。投稿に対して普段あまり接しない人から拍手をもらうと、「この人はこの話題に興味があるんだな」ということがわかるんです。そうすると、後日その話題について話を聞きたいときに、「あのとき拍手してくれた人に聞きに行こう」と目星をつけておくことができます。このとき、たとえば、1人が1拍手した場合と10拍手した場合だと、その人の「うなずき度合い」がわかる気がするんです。10拍手もくれたのなら、その事柄について相談しても嫌がられることはなさそうですよね(笑)。

また、Uniposでのやりとりを見ていれば、誰がそのテーマについて専門性を持っているのかといったこともわかります。

拠点や部署を越えて多くの拍手が集まった投稿の画像
▲拠点や部署を越えて多くの拍手が集まった投稿

“何がよかったのか”というフィードバックが次の行動に生きてくる

ライラ未遊様写真

ライラ:Uniposをもらうことで、自分の行動の何がよかったのかがわかるのも大きなメリットです。個人間でのお礼では、詳細を書くことなく簡単な感謝で済ませがちです。でも、それだと実は自分の何がよくて感謝されたのかが曖昧になってしまいます。Uniposの場合は全社に公開されるわけですから、投稿する人もちゃんと周りに伝わるように書いてくれます。そうすると、結果として“何がよかったのか”というポイントが自分にフィードバックされて、「ここが感謝されるポイントなんだ」「これってすごいことだったんだ」という学びになり、次の行動に生かせるんです。

プロセスを褒めてもらえるのもいいですよね。これまでは仕事が一定のところまで達していないと評価されませんでしたが、Uniposだと小刻みにポジティブなフィードバックが受けられます。結果だけでなく、そこに向けて走っていること自体が認められるので、よりポジティブに仕事に取り組めると感じています。

ポジティブなフィードバックが小刻みに送られるの画像
▲ポジティブなフィードバックが小刻みに送られる
「何がよかったのか」という学びが得られた投稿の画像
▲「何がよかったのか」という学びが得られた投稿

テレワークの弱点をUniposで補うことで、全面リモート体制へ移行

島井:Uniposはコロナ禍でもとても役立っています。弊社はコロナ禍になって、ほとんどの社員がテレワークで勤務しているのですが、その中で“誰が何をやっているのかがわかりにくくなった”という課題を抱えていました。しかし、Uniposを導入したことで、誰がどんな人と関わって、どんな仕事をしているのかが明確に見えるようになったのです。

また、暗黙知が減ったこともUnipos導入の効果だと思います。口頭で「ありがとう」を伝えられる場合、わざわざテキスト化して全社に共有したりしないですよね。ところが、テレワークになったことで会えなくなり、感謝を伝える手段がUniposになりました。すると、投稿する側が、ほかの社員にも投稿の背景がわかるようにUniposを書いてくれるようになったのです。「言わなくてもわかるだろう」という暗黙知が減り、社内の情報がしっかりと周知されるようになりました。

実は、弊社はコロナ禍が収束してもリモート体制を続行することにしています。2021年6月には本社オフィスを半減させることも決めました。それが可能になったのは、Uniposのおかげでもあります。リアルで会えないことによる関係性の希薄化をUniposで補えると確信したからこそ、全面的なテレワークに舵を切ることができたのです。

マネジメントや採用面でも効果を発揮。Uniposが内定者の不安解消に役立つ

島井:マネジメント活用についてですが、私は若手に声がかけづらいんですよ。人事の責任者が突然話しかけたら、やっぱりびっくりされるじゃないですか。でも、そんなときにUniposの投稿をきっかけにすると、自然に話しかけることができるんです。そこから社員の状況などを確認できるようになって、マネジメントがやりやすくなったと感じています。

採用面でもUniposの効果が出ています。これまでは通勤の関係で関西だけで採用するしかなかったのですが、テレワークに切り替えたことでその他の地域でも採用できるようになりました。テレワークに対して不安を持つ学生もいますが、そういうときはUniposの説明をして不安を解消しています。

ライラ:Uniposを使うのを楽しみにしてくれている内定者も多いんです。それに、Uniposのようなシステムを導入していることで、社員への投資を惜しまない会社なんだということを具体的に示すことができます。単に聞こえのいいことを言っているだけじゃないと、わかってもらえるのは大きいですね。
新卒にとってもUniposは役立っています。テレワークということもあり、新卒はなかなか社内のことがわかりません。ですが、Uniposでのライトかつカジュアルなやりとりを見ることで、社内についての知識を得られるのです。

新卒から上司へ送られた投稿の画像
▲新卒から上司へ送られた投稿。ハッシュタグのユニークさにも注目

費用対効果は抜群。組織としての一体感を高めてくれる

島井:様々な部署が同じプロダクトに関わっていることもあり、これまでは評価時期になると「他部署のこの人のこういうところがダメ」というネガティブな声が上がることもありました。Unipos導入後はそういうことがなくなり、組織としての一体感が高まっていると感じます。これは、Uniposを通して他部署やほかの人の大変さ、仕事の背景などが理解されるようになったからだと思います。

Uniposは社員1人分くらいのコスト削減と、それに加えて採用におけるプラス効果を生み出してくれています。そういう意味で、Uniposの費用対効果は抜群だと思いますよ。

あとがき

大阪本社にお邪魔しておこなわれた今回の取材。島井様、ライラ様のお二人からは、Uniposへの熱い想いを聞かせていただき、取材班一同とても感激しました。

お話の中では、様々な観点からUniposのメリットを語っていただきました。中でも「テレワークにおける弱点をUniposで補えたことで、全面リモート体制への移行を決めた」という点は、とても大きな導入効果といえます。

テレワークへの移行を検討しつつも、リモートの欠点が気になって踏ん切れないという企業も多いと思います。ぜひ、今回のシノプス様の活用方法を参考にしていただければ幸いです。